分科会の概要
研究室合同セミナー,産学合同セミナーの講演者や参加者間で人的交流を展開することを目的として,合同セミナーでは分科会を設定しました。分科会では,参加者が興味のあるテーマごとに分かれて,少人数で議論や演習を行いました。例えば,ある研究室が先行して導入している系統解析手法について,合同セミナー全体会での技術講習に連携して,分科会で手法の導入に興味を持つ参加者が情報交換をするための分科会を設けました。これにより参加者間での相互協力を促しながら,手法や知見を他の研究室へと移転することができるものと考えています。
また,産学合同セミナーでは,学生のキャリア支援を目的として当分野に関連する企業の事業紹介や若手研究者との座談会なども行い,これらを通じて,大学や組織の垣根を超えたネットワーク化を図りました。
従来の学会等の大会による講演は,不特定多数の聴講者に対し,研究成果の公開を目的に,数日間で集中的に行われいます。これに対して,合同セミナーの分科会は,特定の参加者同士で,研究・教育に有用な幅広い情報を,年間を通じて定期的に行う点に違いがあります。これらの点は,人材育成や人的交流の展開を行う上ではより適した形態であると考えられます。
分科会の開催実績
大学等の学術機関はこれまでも基礎研究を通じた人材育成の拠点としての役割を果たしていますが,昨今は産業界等の外部組織との連携強化が求められています。本講座では,研究室の人材育成機能をより強化するために,ウェブ会議システムやファイル共有システム等の情報通信技術を活用して,複数の大学の研究室が参加する「バーチャル研究室」を形成して密に情報交換を行っています。
①第1回研究室合同セミナー分科会
7つの班に分かれ,自己紹介を行った後,今後の分科会で議論したいテーマに関して学生同士で意見交換を行いました。その結果,「直流送電システム」「系統連系インバータ」「シミュレーションツール」「実験装置」「電力系統パワーエレクトロニクス分野に関するキャリア・就職活動」を次回の分科会のテーマ候補に設定することとなりました。
②第2回研究室合同セミナー分科会
「直流送電システム」「系統連系インバータ」「シミュレーションツール」「実験装置」「電力系統パワーエレクトロニクス分野に関するキャリア・就職活動」のテーマごとに5つの班に分かれて実施しました。各研究室で使用している研究ツールに関する情報交換,共同での文献調査活動の可能性について提案があり,今後の活動について議論を行いました。
③第3回研究室合同セミナー分科会
「直流送電システム」「系統連系インバータ」「シミュレーションツール」「実験装置」のテーマごとに4つのに分かれて実施しました。国内の直流送電設備に関する情報交換,自分自身の調査した論文の紹介などが行われました。
④2022年度の産学合同セミナー分科会
2022年度には,対面開催の産学合同セミナーに合わせて,東京工業大学(4月),徳島大学(8月),東京都市大学(12月)の各研究室を相互訪問して実験設備見学も行いました。実験設備を目の前にしながらさまざまな質疑が行われました。